路地裏バーのからくり書庫(税法)

税法の論点・判例をつまみに,ウィスキーでも飲みながらどうぞ。

租税判例百選[第4版]70 タックス・ヘイヴン対策税制の適用除外要件

(東京高裁平成3年5月27日判決・行集42巻5号727頁) 〈事案の概要〉 X社は同族会社であり,事業上の判断により香港にA社を設立し,同社はタックスヘイブン対策税制の適用はないものとして確定申告したところ,税務署長Yは,タックスヘイブン対…

租税判例百選[第4版]101 推計課税による実額反証

(東京高裁平成6年3月30日判決・行集45巻3号857頁) 〈事案の概要〉 Xは,建築業,飲食業等を営む自営業者であり,いわゆる白色申告者である。税務署長YはXに対し税務調査を指示し調査官がXの事務所に赴き,帳簿書類等を提出するよう求めたが…

租税判例百選[第4版]27 所得税法56条の適用範囲―弁護士夫婦事件

〈事案の概要〉 Xは弁護士であり,生計を一にする配偶者Aも弁護士である。AはXの事業に従事した労務の対価として弁護士報酬の支払いを受け,Xはこの弁護士報酬の支払いについて所得税を源泉徴収して確定申告を行ったところ,税務署長Yはこれを必要経費…

租税判例百選[第4版]28 不法な所得―制限超過利息

(最高裁昭和46年11月9日判決・民集25巻8号1120頁) 〈事案の概要〉 Xは,金融業・質屋業を営む自営業者である。利息制限法の制限税率を超える利息を受けていたが,昭和32年分の所得税の確定申告及び修正申告の際に,この制限超過利息を事業…

租税判例百選[第4版]37 ストックオプション課税―給与所得か一時所得か

(最高裁平成17年1月25日判決・最高裁民事判例集59巻1号64頁) 〈事案の概要〉 Xは,米国に本社を置くA社の100パーセント子会社である日本法人B社の代表取締役である。A社は同社及びその子会社の役員らにA社のストックオプションを付与し…

租税判例百選[第5版]85(租税判例百選[第4版]84) 仮名記載と仕入税額控除

東京地裁平成9年8月28日判決(行政事件裁判例集48巻7・8号600頁) 〈事案の概要〉 Xは医薬品の卸売業を営む会社であり,多くの仕入先とは現金による取引を行ってきた。Y(税務調査)がXの税務調査を行った結果,Xの仕入帳に記載された仕入先…

租税判例百選[第5版]1(租税判例百選[第4版]1)憲法と租税法―大島訴訟(最高裁判決)

最高裁判所昭和60年3月27日判決・最高裁民事判例集3巻2号247頁 〈最高裁判決(多数意見)〉 〈伊藤正巳裁判官の補足意見〉 〈谷口正孝裁判官の補足意見〉 〈木戸口久治裁判官の補足意見〉 〈島谷六郎裁判官の補足意見〉

租税判例百選[第5版]1(租税判例百選[第4版]1)憲法と租税法―大島訴訟(控訴審判決)

大島訴訟,控訴審判決です。

租税判例百選[第5版]1(租税判例百選[第4版]1)憲法と租税法―大島訴訟(第一審判決)

最高裁判所昭和60年3月27日判決・最高裁民事判例集3巻2号247頁 〈事案の概要〉 (「大島訴訟」「サラリーマン税金訴訟」として,あまりに有名な訴訟であるため書く必要はないと思い省略します。大島教授は,給与所得者の給与所得控除が低いと争うためにあえ…

税理士試験の勉強と仕事の両立って大変ですよね・・・(´・ω・`)

前回の記事からずいぶんたっての更新であります。 税理士試験とはほとんど関係のない分野の仕事をしているため,勉強と仕事の両方をやるってのは正直大変(´・ω・`)。 弁護士事務所のパラリーガルといっても税法絡みの仕事もある。 事務所内の私の本棚には,…

租税判例百選[第5版]28(租税判例百選[第4版]24)課税物件の帰属―親子歯科医師事件

(東京高裁平成3年6月6日判決・訴訟月報38巻5号878頁) 〈事案の概要〉 Xは歯科医でその住所地で開業していた。Xの子であるAは,歯科医師国家試験に合格したのち,Xが経営する歯科医院にて従事しており,A名義の個人事業の開業届が当時の所轄…

路地裏バーのからくり書庫(民事法)を開放。

路地裏バーのからくり書庫の民事法の書架を開放。 勉強等により知った裁判例・判例のうち,興味深いと思ったものを紹介していこうと思っています。 路地裏バーのからくり書庫(民事法)

予告。

近々、路地裏バーのからくり書庫、労働法書架と民事法書架も開放します。

租税判例百選[第5版]16(租税判例百選[第4版]15)私法上と同一の概念の解釈―匿名組合契約の意義

(最高裁昭和36年10月27日判決・最高裁民事判例集15巻9号2357頁) 〈事案の概要〉 訴外A社は,事業用資金を,投資あるいは出資という言葉を用いて一般大衆から集めていました。後にA社は破産しXらが破産管財人に選任され,その破産手続中に…

租税判例百選[第5版]102(租税判例百選[第4版]16)他人の時効取得を認める判決と後発的事由による更正の請求(要旨)

(大阪高裁平成14年7月25日判決・訟務月報49巻5号1617頁) 〈事案の概要〉 訴外Aは,所有していた土地1及び土地2の各3分の1の共有持分権をX1,X2,X3に相続・遺贈させる旨の遺言を公正証書で作成して亡くなりました。Aの死亡後,X…

租税判例百選[第4版]14 租税法の解釈―レーシングカー事件(要旨)

〈事案の概要〉 競走用自動車の製造販売業を営むXは,FJ1600と呼ばれるいわゆるフォーミュラータイプに属する競走用自動車を製造し移送したところ,税務署長Yはこれは物品税法上の「小型普通乗用四輪自動車」に該当するとして物品税の決定処分及び無…

ようやく

役員給与(アメリカ法)の記事は,これで終わりです。 なかなか更新できていませんが,地道に更新していこうと思います。 分野としては,税法と民法としていますが,労働法も破産法も扱っていますので,それらについても記事にするかもしれません。

役員給与(アメリカ法)補論―実質基準と形式基準

最後に、法人税法の役員給与の損金算入の可否の問題において「形式基準」と言われる条文と同様に「形式基準」を用いていると言える,内国歳入法典162条(m)の問題点と、内国歳入法典162条(a)(1)の適用範囲に関係する2つの問題点を見ていきましょう。

租税判例百選[第4版]94 国税通則法65条4項にいう「正当な理由」(要旨)

(最高裁平成16年7月20日判決・判例時報1873号123頁) 〈事案の概要〉 訴外A社(同族会社)の代表取締役であったXは,証券会社を介して訴外B社の株式をA社に売却し,その代金の清算日にXは銀行から借り入れをし,無期限及び無利息でA社に貸…

役員給与(アメリカ法)について

今日も「役員給与(アメリカ法)」を更新しましたが,これで,修論の内容をほとんど掲載したことになります。 このテーマ(内国歳入法典162条(a)(1)「給与又はその他の報酬」)でブログを見ている方もいらっしゃるようです。 ここまで書いている論文や書…

役員給与(アメリカ法)9ー「給与又はその他の報酬」の経費算入の可否をめぐる判決の傾向

以下では、「給与又はその他の報酬」の経費算入の可否をめぐる判決の全体的な流れを見ていきます。

租税判例百選[第5版]118(租税判例百選[第4版]120)審理の対象―理由の差替え(要旨)

(最高裁昭和56年7月14日判決・最高裁民事判例集35巻5号901頁) 〈事案の概要〉 Xは,法人税の申告の際に,不動産の売却について,取得価額は7600万9600円,売却額は7000万円であるとして損失を計上しました。しかし税務署長Yは,…

租税判例百選[第5版]112(租税判例百選[第4版]108) 源泉徴収と確定申告(要旨)

(最高裁平成4年2月18日判決・最高裁民事判例集46巻2号77頁) 〈事案の概要〉 A社の従業員であったXらは,A社を退職した際に,一定額の金員の支給を受けましたが,A社はこれを給与の支給に当たるとして源泉徴収を行い,国に納付しました。Xら…

租税判例百選[第5版]7(租税判例百選[第4版]6)自主財源主義―横浜県勝馬投票券発売税事件(要旨)

(国地方係争処理委員会平成13年7月24日勧告・判例タイムズ1073号128頁) 〈事案の概要〉 横浜市は,平成12年12月14日,法定外普通税として,勝馬投票券発売税を新設することを内容とする条例改正案を可決しました。そして,横浜市は,同…

租税判例百選[第4版]掲載の判例・裁判例の要旨及び解説の目次

租税判例百選[第4版]に掲載されている判例・裁判例の要旨(各当事者の主張及び下級審判決も網羅)及びその解説の目次です。

租税判例百選[第5版]4(租税判例百選[第4版]3) 課税要件法定主義ー政令への委任の限界(要旨)

(東京高裁平成7年11月28日判決・行政事件判例集46巻10・11号1046頁) 〈事案の概要〉 Xは,売買を原因とする所有権移転登記をし,登録免許税法に基づき通常の税率により算定した登録免許税を納付しました。ところが,本件登記は,租税特別…

租税判例百選[第5版]掲載の判例・裁判例の要旨及び解説の目次

租税判例百選[第5版]に掲載されている判例・裁判例の要旨(各当事者の主張及び下級審判決も網羅)及びその解説の目次です。

租税判例百選[第5版]38(租税判例百選[第4版]33) 事業所得と給与所得の区別(要旨)

(最高裁昭和56年4月24日判決・最高裁民事判例集35巻3号672頁) 〈事案の概要〉 弁護士であるXが,昭和42年分から昭和44年分の各所得税の申告にあたって,顧問料収入を給与所得にかかる収入として確定申告をしたところ,税務署長Yが,これ…

役員給与(アメリカ法)8-賞与及び不確定報酬(contingent compensation)

次に,以下では賞与及び不確定報酬(contingent compensation)としての支払の控除の可否を見ていきましょう。 賞与及び不確定報酬については,財務省規則で別個に定めがあり(Treas. Reg. § 1.162-9、Treas. Reg. § 1.162-7(b)(2))更にこれらの性質上,…

役員給与(アメリカ法)7-目的基準2(自動的配当ルール)

「目的基準」に関連して,非常に興味深い判決があります。McCandless事件請求裁判所判決は「自動的配当ルール(automatic dividend rule)」を用いたと言われており、自動的配当ルールの定義は、同判決は述べていませんが、もし事業が成功している閉鎖会社が…